墨守
ぼくしゅ
English: Adherence to custom
意味
墨守(ぼくしゅ)とは、自説や習慣を固く守って変えないこと。中国の墨子が、城を巧みに守り抜いた故事から。本来は「堅固に守る」という良い意味だが、現代では「旧弊を墨守する」のように、頑固で融通が利かない、古いやり方に固執するという悪い意味で使われることが多い。
「墨守(ぼくしゅ)」とは、古い習慣や自説を固く守って変えないこと。現代では「融通が利かない」というネガティブな意味で使われることが多いが、元々は褒め言葉だった。
由来:墨子の鉄壁防御
中国の戦国時代、思想家・墨子(ぼくし)が率いる集団は、戦争反対を唱えるだけでなく、「攻められた弱小国を助けに行く」最強の傭兵集団でもあった。 彼らの守城術は完璧で、どんな大軍も跳ね返したことから、「墨子の守り(墨守)=絶対に破れない堅固な守備」と称えられたのだ。
ポジティブな意味:信念
本来の意味は「信念を貫き通す強さ」だ。 流行や圧力に流されず、自分が正しいと信じたことを守り抜く。それは頑固さとも言えるが、変化の激しい時代において「変わらない軸」を持つことは、一つの才能でもある。 「旧弊墨守(古い悪い習慣を守る)」と批判されるか、「伝統墨守(大切なものを守る)」と尊敬されるかは、守る対象の価値次第だ。
由来・語源
『墨子』公輸。中国の思想家・墨子(ぼくし)は、絶対に攻め落とせないほどの完璧な守城戦術を持っていたことから。
使い方・例文
「彼は伝統を墨守するあまり、新しい時代の変化に対応できていない」「過去の成功体験を墨守していては、イノベーションは生まれない」
⚠️ 誤用・注意点
現代では「古いやり方に固執する」というネガティブな意味で使われることが多い(旧弊墨守)。しかし元々は「どんな強力な敵(楚の大軍)が攻めてきても、城を絶対に守り抜く」という、墨子の平和主義と技術力の高さを称えるポジティブな言葉(鉄壁の守り)だった。意味が180度変わってしまった面白い言葉の一つ。
類語・関連語
- 頑固
- 保守的